仙台のみなさん、こんにちは。
2013-09-08


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今日から3日間、
ギタリスト鈴木大介がこちらのBlogを担当させていただきます。


まずは最近の仕事の様子から。

9月2日、サントリーホールで行われた
池辺晋一郎先生プロデュースの
「ジャズ、エレキ、そして古稀」というコンサートで、
野平一郎さんの「炎の弦」という
エレキギター(!)コンチェルトを演奏しました。

この作品は2002年にロック、ヘヴィ・メタル界の
天才ギタリスト、スティーヴ・ヴァイ氏が初演したもの。

ヴァイ氏は、その卓越した演奏能力はもちろんのこと、
音楽理論やスコアを作成する技能もずば抜けていて、
野平先生が見せてもらった彼の作品のスコアは、
変拍子あり、複雑なフレーズあり、と、
さながら現代音楽のようなものも含まれていたそうです。

互いに尊敬しあう二人による初演は伝説となっていました。

そんなすごい人が弾いた作品を、
エレキギター15年ぶり、ほぼ初心者の僕が弾くわけですから、
池辺先生発案のコンサートのテーマが「挑戦」であるとはいえ、
ほとんどやっていることはドン・キホーテなのです。

では、なぜそんな無理な挑戦をしたのか、というと、
初演の後、アメリカで、
現代音楽を得意とするクラシックギタリストの
デヴィッド・タネンバウムさんが「炎の弦」を演奏していて、
そちらは、もっと現代音楽的なアプローチで、
「う〓〓ん、この二人の中間の演奏は出来るのかなぁ」
と思ったのと、野平先生が以前、コンサートの楽屋でご一緒した時、
子供の頃、ハービー・ハンコックなどのジャズが大好きで、
本気でそちらに進もうかと考えていた、と聞いたこと。

あとはもう、弾いてみたい、という
純粋な好奇心だけでお引き受けしました。

作品にはエフェクターの指定があったり、
一見、ビートが存在していないように聴こえるところにも
書かれていない縦のリズムが存在していたりと、
それらのすべてを表現するには僕はまだまだ力不足なのですが、
指揮の杉山洋一さんや東京都交響楽団のみなさんのあたたかい
サポートで、リハーサルから演奏会まで、とても楽しく過ごすことが
できました。

今回は楽譜に書いてある強弱の指定(フォルテやピアノ、
クレッシェンド、デクレッシェンドなど)を、
極力ボリューム・ペダルを使って再現できるように試みたり、
作曲家の希望で、これまでの演奏でされていなかった音色の変化を
短い時間の間に細かくつけたりしたのですが、
これがほんとうに難しかったです。気持ちと足が連動しない(笑)。。。

こういう、こまごましたエレキギターの所作については、
普段「The DUO」というユニットでご一緒している、
エレキギターの巨匠、鬼怒無月さんにたくさんのアドバイスを
いただきました。

写真は、コンサートに来てくれた福田先生、大萩康司くん、鬼怒さん、
そして今度せんくらで共演するバンドネオンの北村聡くんです。


鈴木大介(ギター)
[鈴木大介]

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